私は柏の自宅を出て千代田線の北柏駅まで約10分歩きますが、途中緑の森の残る林のわきを通ります。 11月は3日続きの寒さを朝の出勤に感じましたが、今朝ふと中学校の教科書の短歌が浮かんできました。 私はまだ、痴ほうでないことが自ら立証できたかもしれません。 「降り立ちて今朝の寒さに驚きぬ 露しとしとと 柿の落ち葉深く」 千葉の成東町に生まれアララギ派の歌人として一世を風靡した伊藤左千夫の有名な句です。 彼は農業のかたわら牛飼いであったと中学校で教わりましたが、諏訪の出身の島木赤彦と友人で中央線を利用して島木赤彦に毎年行き会っていました。 私は30有余年柏に住みながら伊藤左千夫の墓を一度も訪れていないのが残念です。 伊藤左千夫もきっと寒い朝を経験したことがあるのでしょう。露しとしとと柿の落ち葉深く……素晴らしい表現ですね。
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