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 研 究 内 容


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Q.貸倒引当金の計算構造は変わったのでしょうか。 2005/7/11(Mon)
貸倒引当金には二つの性格の違った引当方法があり、一つの引当金の名称で統合されていますので複雑の様相を呈しています。これは別々の引当金の計上と考えればよく理解できます。ただし、債権の範囲の中で金銭で支払うことが確定した債権が債権の中から抽出されて、貸倒引当金の設定対象となります。ゴルフ会員権の基本通達もこれで理解できます。
_____________
│ 金    銭    債    権  │
_____________
│個 別 評 価 金 銭 債 権│
_____________
               │売掛金、        │
                │貸付金         │
                │これらに         │  
                │準ずる金銭債権    │
                │一括評価金銭債権  │
                │_________│

では、申告書に記入していきましょう。

@ 個別評価貸倒引当金について
  別表十一⑴から記入する事項を説明しましょう。
法人税法施行令96条第1項1号から4号に該当する売掛金、貸付金、その他債権で回収できないと見込まれるものを個別に別表に記入していきます。
 大分類は4項目ですがよく現れるのは3項目です。外国の公的債権はあまり見ないものです。(ここでお断りしますが、連結法人税を納付する企業のために貸倒引当金の規定も増えましたがここではそれらの規定は省略しています)
   長期棚上げ債権
   事実上回収不能債権
   形式上回収不能債権
   外国の回収不能公的債権
1番から25番まで債務者別に縦の列に記入します。
3番の個別評価の事由欄に政令96条第1項第 号と、債務者への債権を上記4項目のどれに該当して引当金を取るかを明記するため記入します。第何号に該当するかを間違えないようにしましょう。
 6番の個別評価金銭債権の額 ここには売掛金、貸付金、受取手形、その債務者にかかる債権の合計額を記入する。
 5番 当期繰入額には当期繰入れた金額を記入する。
    当然前期繰り入れ金額より多いときも、少ないときも同額のときもある。
 4番 同上の発生時期とあるのは、事由の発生時期でありますから、当期の年月日が書かれるとは限りません。前期と事由が変わらなければそのままです。
13番までは取立見込額をきめ細かに記入することになります。
したがって13番に記載される額はこれ以上回収できない金額が入ることになります。
繰入限度額は、14番と15番については100%の金額が入ることになります。当期繰入限度額と繰入額との差額は、18番の繰入限度超過額として別表に加算対象となります。
19番から25番の欄は貸倒実績率の計算となっていますので、次期以降の一括評価の貸倒引当金の計算に役立てるものであります。19番、22番、24番がこの計算に必要になるものであります。

A一括評価金銭債権の貸倒引当金について
 個別評価の対象とならない金銭債権は一括評価金銭債権として法人全体として一括して貸倒実績率を乗じて貸倒引当金を計算します。
 ここで注意しなくてはいけないことは。最初に述べましたが個別評価金銭債権では貸倒引当金の計算対象とするものが、一括評価金銭債権の方では、貸倒引当金の対象ならないことがあります。これは従来の貸倒引当金の考え方を引き継いだからであります。実務家はこの辺に気をつけないと間違える危険があります。
別表十一の一の二
この別表の下段 一括評価金銭債権の明細から記入を始めます。
21欄はそれぞれの科目の勘定の期末残高を書きます。24欄には個別評価で対象として使用した売掛債権等を記載します。ゴルフの会員権で変換請求権の額や、家賃の保証金で返還請求した債権は個別評価の計算には加えますが一括評価の引当金計算では加算しないでください。
 26欄 期末一括評価金銭債権の額×貸倒実績率=6欄 繰り入れ限度額
8欄 繰り入れ限度超過額を別表に加算します。
貸倒実績率の計算には 分母 前3年以内事業年度末における一括評価金銭債権帳簿価格の合計額
 分子 分母の各事業年度における貸倒損失の合計額       12
   +各事業年度の個別評価分の引当金繰入額   × ―――――――――
   −各事業年度の個別評価分の引当金戻入額     各事業年度の合計月数
  個別評価分の引当金の繰入額及び戻入額は売掛金等の債権に対する引当金とすることに留意します。
中小法人の貸倒引当金については改正前まで適用されていた法定繰入率が認められています。法定繰入率を算定する基礎は実質的に債権と認められないものの額
を控除して算定しているので別表にこの欄があり使用する場合としない場合が出てきたのでしょう。
  注意点 法定繰入率は数種の事業を行うとき、どの率を使うかを迷うことになりますが、法人が営む主たる事業に対するものが適用されます。事業の売上高、所得金額、使用人の人数等これらを総合的に勘案して事業を判定することになります。  
中小法人は法定繰入率や貸倒実績率をどちらか有利な計算方式を使用してよいことになっています。毎期選択適用でよいことになっています。 
 





Q. 貸倒引当金の別表の書き方を教えてください。(法人税法第52条) 2005/7/8(Fri)
金銭債権の位置づけ
  債権とは
   私たちは、売掛金、貸付金とはこのようなものであるからと、簿記の教科書で丸暗記して繰り返し練習問題を解き、殻に覚えこみましたが、昨今の会計の複雑高度化により、法律的上は売掛金とか貸付金はどこに書いてあるのか悩むことになります。
 民法上私法上認められる権利として、人格権、身分権、財産権、無体財産権等ある中の財産権が物権及び債権と分かれます。
物権は物を直接支配する排他性があります。債権はある人から他の人に対して「金を支払え」、「建物を引き渡せ」などという権利をいいます。金銭債権とは一定額の金銭を支払うことを目的とする債権である。
 貸倒引当金の制度も平成10年の税制改正で従来の債権償却特別勘定が貸倒引当金に統合されたため、引当金の中が個別評価する引当金、一括評価する引当金と大きく二つの引当金が一つになりました。
申告書別表も 別表十一の一、別表十一の一の二の二種類の合計で、貸倒引当金となります。


Q. 消費税の申告の判定について税務署から最近アンケート用紙が届きましたがどのように記入するか教えてください。(消費税の課税事業者に該当するかどうかのチェック表 等) 2005/7/5(Tue)
消費税を納めなければならない事業者を「課税事業者」と呼びますが、年間の課税売上高が1000万円を越えた売上高を上げた者が消費税を納めるようになります。消費税を納めなければならない個人は、税務署に課税事業者として届出を行いますが、たとえば17年度分の売上高が1000万円を超えるかを決るのは17年12月31日です。しかし、17年事業年度から消費税を課税されることを予想して消費税を顧客から徴収しておくなど用意周到な方は余りいないものです。その者が課税事業者になるのか、免税事業者(消費税を納付しない)になるのかの判定は基準期間といい、2年前の売上高で判定します。
 但し、売上高の中に非課税売上高といわれるものがあれば、除いたところで1000万円を超えるかどうか判定するのである。事業収入または、不動産収入の中で次の収入は非課税売上となるので控除してよい。
 非課税売上は次のようなものです。
   医師の社会保険診療報酬
   居住用の契約で貸し付けた家賃収入
   駐車場収入
   不課税収入といわれるもの
   損害保険の収入
   補助金
税務署からお尋ね、アンケート用紙がきていますが、税務署にいくのが気が進まないとか、忙しくて税務署までいけない方はどうか遠慮せずご一報をください。
 事務所においでいただき相談しながら書きたい方は2年前の帳簿を持っておいでください。
 但し相談料、及び届出書記入の指導をお受けになりたい方は、5,000円(消費税は別)の報酬を頂きます。
E-mail でご相談してもよろしいです。小林国利



Q. 非課税業務用調整対象固定資産を課税業務用に転用した場合、消費税の計算をやり直すのですか。 2005/7/4(Mon)
課税業務用に転用した場合の、固定資産に係る仕入消費税の調整は、次の事業者が対象となります。(固定資産を取得した時期)
・課税事業者であること。
・免税事業者ではない。
・課税事業者は免税期間があってもよい。
調整対象固定資産に係る課税仕入等の税額につき、個別対応方式で非課税売上にのみ使用されたとして、仕入にかかる消費税が発生していないこと。

その仕入等の日から3年以内に、課税業務用に転用したこと。
課税業務用にのみ全体が供用されること。一部非課税用に私用されているのはだめです。
本来は固定資産が一度に消費ざれないので、耐用年数に亘って調整するのが正しいが、実際には計算が不可能です。

調整計算は
@仕入等の日から1年を経過する日までの期間に、転用した場合控除未済の税額の全額

A@の期間の末日から1年を経過する日までの期間(2年目)に、転用した場合、控除未済の税額の3分の2相当額

BAの期間の末日の翌日から1年を経過する日までの期間(3年目)に、転用した場合、控除未済の税額の3分の1相当額

上記で計算した金額を、消費税申告書付表のSに記入し、消費税申告書の控除対象仕入税額Cに加算します。


Q. 調整対象固定資産を2年前に購入して個別対応方式により、仕入税額控除を計算しましたが、非課税税務用に用途を代えることになりましたが、消費税計算で何か問題がありますか。 2005/7/3(Sun)
一個当り税抜金額が100万円以上の固定資産を購入し、課税仕入控除を課税売上割合が95%に満たない場合として個別対応方式により
計算をおこなったときに、取得したときより3年以内に非課税業務専用に転用したときには、このままでは仕入れ税額控除を受けるのみで
2年または3年で非課税業務に転用すると、最初購入時から非課税業務用に使用される場合と比較すると、仕入税額控除の対象であるかどうかで課税が大きく違ってきます。これでは課税の公平が保たれない。そこで、調整計算が必要となります。
  具体的計算は
    取得の日から1年を経過するまでに転用    控除済みの全額
    取得の日の2年目に転用したとき       控除済みの3分の2
    取得の日の3年目に転用したとき       控除済みの3分の1
 上記計算金額を消費税申告書付表2のSの欄に記入して、消費税申告書控除対象仕入れ税額C欄から控除してください。
控除できない金額は、消費税額Aに加算してください。以上消費税法第34条であります。
 固定資産を取得してその年の課税売上割合が95%未満のときはその後三年間の固定資産の使用状況を注意してください。


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