Q.1 改正公益法人会計基準の収支計算書と正味財産増減計算書及び貸借対照表の構造考察 一取引二仕訳について教えてください。 |
2005/5/6(Fri) |
複式簿記は一取引、一仕訳で損益計算書及び貸借対照表に分かれて表示される極めて素晴しい計算体系でありますが、新規に改正された公益法人会計基準の財務諸表からは従来主役とされていた収支計算書が除外され、財務書類の一つにはなるが財務諸表からははずされました。
しかし、会計基準が変わっても予算、決算してきた法人はとりあえず、財務書類として収支予算書及び収支計算書を作成することは間違いなく、経理担当者としては、又、新たな仕訳を追加するのか迷っていることでしょう。
この場合に従来の公益会計基準の収支計算書と正味財産増減計算書及び貸借対照表の関係は損益計算書の科目と正味財産増減計算書の科目及び貸借対照表科目は複式簿記の計算体系の中に納まり違和感がありません。勿論、一取引二仕訳の起きるのは収支計算書部門と貸借対照表部門それに正味財産増減計算書部門に仕訳するため発生したのですが、新会計基準ではどのようになるかと考えて見ますと、問題点が発生します。
計算構造
@ 正味財産増減計算と貸借対照表→収支計算書
A 収支計算書 →正味財産増減計算書と貸借対照表
B 正味財産増減計算書 →収支計算書
@ とBの計算構造においてはすでに複式簿記の体系が出来ているためすでに入力した仕訳に新たな現金預金の収支計算書の科目を追加して行なうことになりますが、コンピューターの力を借りなければ無理なことであります。
A の収支計算書から正味財産計算書を作成する方法もあります。フロー式正味財産増減
計算書と収支計算書は同じ科目を使用することも可能ですが、それを利用しても、根本的には正味財産増減計算書を作成することは出来ません。膨大な追加仕訳が必要です。
考えて見ますと収支計算とは残高試算表を目の前に出して、このうち、現金、預金部分の期中の増減を、借方、貸方を収入、支出として表示することですので、上記@〜Bの方法で計算構造を立ち上げることには所詮は無理なことであります。
そこで考える計算構造は先に仕訳した全般的仕訳取引から収支計算書に利用できる仕訳を別な計算構造にコピー、貼り付けを行なって新たな収支計算だけの計算構造を独立して作り上げることになります。具体的には貸借どちらかに現金預金科目のある取引をすべて新たな収支計算書計算構造に異動して、複合仕訳があれば、追加仕訳ですべて相手科目が現金預金科目になるように修正仕訳を加えてやればよいことです。
このコピーの方法にコンピューターソフトにより方式がいくつかあるために、その方法を理解してソフトを購入しないと購入後使いこなせないことが生じてきます。
公益法人のソフトにつきましていくつかのソフトを調べてもこの仕訳の方法や
計算構造につき説明があまりに簡単であり、よく解らないことが多い。.
又、市販されている公益会計の解説本にもこのあたりの記述がなされていないことが私にはふしぎなことであります。企業秘密としているとすれば、残念です。誰もが理解できる書き方にして欲しいと思います。
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Q.5 国、地方公共団体の特別会計及び法別表第三に記載される法人は消費税の特例について教えてください。 |
2005/5/5(Thu) |
私たちは消費税計算を平成元年導入されて依頼、実務について従事してきましたが、振り返り消費税計算を考えて見ますと、公益法人における消費税の計算の特例といわれるものが、実は消費税計算の原則であることがわかってきます。資産の譲渡等にかかる収入についてのみ消費税の計算を行い、それ以外の収入については消費税等は無縁のものと思っていましたが実は大変関係していることであり、今後消費税が国税の中で重要な位置を占めてくることを考えますとまさに、特例を原則にして消費税の体系を国民に教えていくことが国税庁の重要な役割と考えます。
具体的には収入のうち、会費収入、補助金、交付金、寄付金、保険金、損害賠償金、他会計からの繰り入れ、受取配当金は明らかに不課税支出または非課税支出のみに係る収入ならば消費税計算に関係させなくて済みますが、それ以外の場合は課税仕入れ控除税額を計算するに当たりこれらの収入を完全に消費税計算に取り入れています。
むしろ消費税法60条の5によれば仕入にかかる消費税から控除できずにマイナスとなる場合はマイナスの金額を課税に係る消費税に加算することとなっています。
消費税の計算対象となる収入を特定収入と呼び、特定支出というものは消費税計算から除くことになっています。この科目についても大変理解できない言葉です。
しかし不満を漏らしても法律は法律ですので国税局の指定した様式に書き込んでいくことです。消費税の申告書の添付書類、計算表〜計算表までに記入すれば何とか計算できます。
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Q.4 国、地方公共団体の特別会計、消費税法別表第三に掲げる法人の消費税の計算の仕方を教えてください。 |
2005/5/4(Wed) |
@ 特定収入割合が5%越えるとき
A 課税売上割合が95%以上のとき
通常の課税仕入税額収 入
189,000,000(売 上 高)
控除対象仕入税額 課税売上
170,583,333 189,000,000
課税に係る使途不特定収入の仕入税額 13,416,667 非課税売上
33,500,000
課税に係る特定収入の仕入税額 5,000,000 使途不特定の特定収入 特定収入 不課税収入
17,500,000
課税仕入等に係る 特定収入
131,250,000 148,750,000
特定収入以外の収入
0 148,750,000
@ 特定収入割合が5%越えるとき
A 課税売上割合が95%未満のとき
通常の課税仕入税額 収 入
189,000,000 (売 上 高)
控除対象仕入税額 課税売上
174,070,933 189,000,000
通常の課税 仕入税額 13,690,972 非課税売上
33,500,000
用途が課税・非課税共通の仕入税額 0 使途不特定の特定収入 特 定 収 入 不 課 税 収 入
17,500,000
用途が課税売上の仕入税額 1,238,095 用途が課税売上・非課税売上共通 課税入れ等にかかる特定収入
0
用途が課税売上
32,500,000
用途が非課税売上
0 32,500,000 50,000,000
特定収入以外の収入
0 50,000,000
本来は表になっております。
後日、文章にて解説いたします。
お急ぎでしたら、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
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Q.3 公益法人の総括計算書類とはどのようなものをいうのでしょうか。 |
2005/5/3(Tue) |
一般会計以外にも特別会計を持つ公益法人は会計別に計算書類を作成するが各会計をまとめた総括計算書類を作成することに定められています。
この場合には各会計で内部取引に当るものは、総裁表示することになります。したがって、相殺項目は収支計算書、正味財産計算書、貸借対照表に渡り存在すれば消去します。其のためには、二つの会計にまたがるものは、
科目処理が相殺できるように、普段から仕訳処理がなされるように心がける必要があります。
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Q.2 公益法人の正味財産計算書は何故作らなければならないのか教えてください。 |
2005/5/2(Mon) |
複式簿記では貸借対照表と損益計算書で、貸借対照表はある時点の資産、負債、資本の残高を現していますが、このうち、資本にあたる部分の増加減少を収益と費用に区分し比較して損益の発生状態がわかります。結果として損益、自己資本の一期間の状態がわかる大変便利の良いシステムであります。
公益法人の計算体系と比較すると其の優れている面がはっきりいたします。
正味財産計算書は収支計算書と貸借対照表の連結環の役目をしていまして、これなくしては、仕訳及び貸借対照表の意味もなくなってしまいます。
ただし、出来上がったものは、余り内容のないものでありますが、仕訳を行う者からしては、収支計算書を損益計算書に修正するため、正味財産計算区分を作り出したものと理解していただければよいのです。
公益法人は一取引二仕訳という言葉がありますが、常に二仕訳を行う場合があるとは言っていません。しかし、この辺がなかなか理解できないところでありました。
私は次のように考え方をまとめたところ、この仕訳が必要か否かの判断が出来ることに気づきましたので報告いたします。
収支計算書は一般の損益計算書と同じに考えて仕訳入力をいたします。
次に仕訳例をあげてみます。
@商品を売り上げ現金を、50,000円入金しました。
A社員の交通費申請書が出て50,000円支払った。
B家賃1か月分を300,000円支払った。
C商品を400,000円掛けで売り上げた。
D銀行から1,000,000円長期で借り入れて当座預金に入金した。
E上記借入金の返済で今月10,000円支払った。
F輸送用の車を3,000,000円現金で購入し支払った。
以上の取引で
@は売上として収入に載りますので追加の仕訳はない。
Aは仮払金と仕訳すると支出項目に該当しなくなりますので、損益は発生しません。現金と仮払金が入れ替わったのみで他の仕訳はない。
ただし、次期繰り越し収支差額を出すとき残高の状態ならば考慮する。
Bは費用が発生したことになり、損益がこの仕訳で完了する。
Cは収支計算書に売上として載せるためには相手の売掛金も近いうちに現金化すると考える。これは次期繰り越し収支差額のときに現金と同様に考える。また売掛金は貸借対象法に計上となります。特に追加の仕訳はいりません。
D借入金収入として収支計算書に載ります。金額的にも重要なので当然です。ただしこのままでは収支計算書が先に述べたように損益をあらわすように働きますのでこの金額が利益が計上されてしまいます。
そこで、一旦、計上された利益は見せかけの利益ですので、利益を減らして、負債を増加させる仕訳を入れます。負債増加額×××負債×××これは簡単にいうと資本金を減らして負債が増えることです。
一取引二仕訳ですが、二段階の仕訳をして、収支計算書と貸借対照表の連結を行うことなのです。
Eは長期借入金の返済です。仕訳は収支計算書に載せるため、借入金返済支出として収支計算書の支出に載せますが、また現金も減少します。
しかし収支計算書の支出に載りますと、利益が減少しますので、負債×××負債減少額×××として利益を増やします。
Fは輸送用のトラックはこれも大きな買い物なので当然収支計算書の支出に固定資産支出費として科目計上して現金預金が減少します。
しかし、このままですと損益取引として資本が減少していますので、
固定資産として資産計上すると同時に資本部分を増やす仕訳が必要となります。仕訳は 固定資産×××固定資産増加額×××固定資産増加額は資本増加を表す資本の内訳科目です。
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