Q9 小規模宅地等の特例・その1 |
2015/1/30(Fri) |
Q1 相続税は基礎控除が引き下げられ増税となる法改正が行われましたが、逆に減税となるような法改正はないのですか?
A1 小規模宅地等の特例という規定について減税となる法改正が行われました。
Q2 小規模宅地等の特例とはどのような規定ですか?
A2 亡くなった方(被相続人)やその被相続人と生活を共にしていた家族(同一生計親族)の事業用や居住用の宅地に関して相続税の計算に使う金額をその宅地の時価の20%や50%としてもらえる規定です。20%や50%にしてもらえるということは、80%減額、50%減額ということですので納税者にとって非常に有利な規定となっています。
Q3 小規模宅地等の特例の規定はどのように改正されたのですか?
A3 小規模宅地等の特例には減額してもらえる宅地について面積制限があり、平成26年までは事業用は400u(不動産を貸し付ける事業は200u)、居住用は240uでした。それが平成27年からは居住用について330uまでに引き上げられたのです。330uは約100坪となりますからかなり大きな宅地について減額できることとなったのです。 また、平成26年までは事業用と居住用はそれぞれを限度まで減額することはできませんでした。たとえば、事業用で400u減額した場合には居住用を減額することはできず、事業用で300u(限度400uに対して75%)減額した場合には居住用は60u(限度240uに対して25%)しか減額できませんでした。それが平成27年からは、事業用を400u減額したうえで居住用も330u減額できることとなりましたので事業用の宅地と居住用の宅地の両方を持っている方にとっては非常に大きな減税効果があります。 ただし、事業用と居住用を併用できるのは不動産を貸し付ける事業用の宅地が含まれていない場合に限られますので注意が必要です。
Q4 小規模宅地等の特例は被相続人や同一生計親族の事業用や居住用であれば常に受けられるのですか?
A4 小規模宅地等の特例は被相続人や同一生計親族の事業用や居住用の宅地であってもその宅地を誰がもらったか、またはその後どのように使われているか、などに要件があります。したがって、適用があるかどうか、何uに適用があるかなどについては専門家の判断を受けたほうがいいです。また、適用を受けることができる宅地が複数ある場合には、適用を受ける宅地をどれにするかによって税金をどれだけ減らせるかが大きく変わってきますので、ぜひ当事務所へご連絡をいただければと思います。
相続税について、ご不安、ご心配な点がございましたらお気軽にお電話ください。…小林公認会計士事務所 ☎ 03−3814−3800 |
消費税の計算について一言 |
2015/1/19(Mon) |
消費税の計算において、平成24年度の税制改正において 課税売上割合が95%を超えている企業で年間の課税売上高が5億円を超えていれば課税仕入れの、仕入税額控除を個別対応方式か一括比例配分方式かのどちらかで計算しなさいと法律改正が行われました。 企業は税金が少ない方が有利ですので個別対応方式で計算することになるでしょうが、厳密には個別対応方式を取り入れている会社は少ないでしょう。でも消費税の正しい理論からすれば個別対応方式を取り入れ、消費税が累積的にかからないようにするべきと思います。 理論としては簡単でありますが、集計していく過程におきまして、その企業ごとに内部で課税売上高のみに関与する部門、課税、非課税両売上高共通に関与する部門と設定しなけれなりません。 大企業は会計システムを企業独自に開発したコンピュータソフトを導入している会社が大半と思われますがこれからはこの改正に沿って会計ソフトを変更していくには料金が相当要することになります。 私たちが関与している中小企業においてはあまり会計ソフトを独自ものを開発している会社は皆無に等しいのですが、消費税計算でお困りの会社は会計ソフトを専門的に開発しているエプソンやOBCの会計ソフトを入れていくことが今後は大切かもしれません。 この度エプソンの消費税ソフトを研究してみたところ実に良くできています。 たとえば売上高の返品、値引という科目を独自に新設していない企業にも売上高が借方に出たならば売上返品、値引きに等しいと科目の税区分を設定してあげればよいのです。仕入返品についても同じことが言えます。仮払消費税、仮受消費税の科目が科目は二つだけですが使いかたによってあらゆる立場の仮払消費税、仮受消費税の役割をして下さいます。 大企業もこれからは会計ソフトの部分は市販の会計ソフトを使用し、仕事の能率を相当上がるようになります。 以上そんなことを暮れから正月にかけて勉強した消費税の研究からわかったことです。 |
Q8 贈与税の税率について |
2015/1/14(Wed) |
Q1 平成27年1月1日から贈与税の税率が変更されたのですか?
A1 はい。贈与税の税率は超過累進税率という制度がとられていて、もらった財産が多くなればなるほど税率が上がる仕組みとなっています。 平成26年まではもらった財産の金額に応じ税率が6区分に分かれていて最高税率は50%でした。これが平成27年からは税率は8区分に分かれ最高税率は55%となりました。下記に贈与税の速算表を入れておきましたが、増税となる部分と減税となる部分の両方があります。
Q2 税率表は2つあるのですか?
A2 平成26年までは相続時精算課税を除くすべての贈与が同じ税率により贈与税の計算を行っていましたが、平成27年からはあげた人ともらった人の関係やもらった人の年齢により税率が異なることとなりました。 具体的には、直系尊属(父母や祖父母等)からの贈与であり、贈与年の1月1日におけるもらった人の年齢が20歳以上である場合には、その他の贈与に適用される税率とは異なる税率が適用されることとなりました。 これにより親子や祖父母と孫の関係で贈与が行われた場合には、贈与税が少し優遇されることになり、財産を若い世代に移転しやすくなりました。
Q3 相続税との関係はどうですか?
A3 相続税も超過累進税率によって税額が計算されます。将来の相続税を試算して適用される税率がわかれば、贈与税が課税されたとしても結果として税負担が減ることがあります。 たとえば、将来の相続税の税率が30%になりそうであれば、贈与税の税率が10%や15%となるような金額の贈与をすることにより、将来の相続税対策とすることができます。 ただし、亡くなった時点より前3年間の贈与については相続財産と考えて相続税が課税されることになりますので、亡くなる直前の贈与についてはこの対策の効果はありません。
《贈与税の税率》 平成26年までの税率 区 分 税率 200万円以下 10% 300万円以下 15% 400万円以下 20% 600万円以下 30% 1,000万円以下 40% 1,000万円超 50%
平成27年からの税率 (1) (2)以外の贈与 区 分 税率 200万円以下 10% 300万円以下 15% 400万円以下 20% 600万円以下 30% 1,000万円以下 40% 1,500万円以下 45% 3,000万円以下 50% 3,000万円超 55%
(2) 贈与を受けた年の1月1日に20歳以上の者が直系尊属から受けた贈与 区 分 税率 200万円以下 10% 400万円以下 15% 600万円以下 20% 1,000万円以下 30% 1,500万円以下 40% 3,000万円以下 45% 4,500万円以下 50% 4,500万円超 55%
(注) 区分の金額は、贈与を受けた金額から基礎控除額(110万円)を控除した後の金額で考えます。 また、実際の贈与税額の計算に当たっては税率を乗じた後、控除額がマイナスされることになるため、詳しい税額の計算については当事務所にお問い合わせください。
贈与税額の計算受付…小林公認会計士事務所 ☎ 03−3814−3800
相続税について、ご不安、ご心配な点がございましたらお気軽にお電話ください。 |
相続税額の予想計算について |
2014/12/3(Wed) |
以前にこのホームページでもご紹介したとおり、平成27年1月1日より相続税法が改正されます。
これまでは、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」を超える場合にかかっていた相続税が、平成27年1月1日からは「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるとかかることになります。 今までであれば法定相続人が2人であれば7,000万円、3人であれば8,000万円まで相続税がかからないことから自分には関係ないと考えていた方でも、今後は2人であれば4,200万円、3人であれば4,800万円から相続税がかかることになりますので関係してくる方も多いのではないでしょうか。 昭和60年代前半では日本全国で土地が値上がりし相続税対策が花盛りとなりましたが、平成27年からはこの改正により相続税が広く一般の国民にも課税されるようになります。
相続税は、亡くなった方が所有していた財産に対して課税されるため、現金や預金はもちろん、宅地や家屋などもその価値を評価して相続税が課税されることになります。 ただ、現金や預金についてはその価値がどのくらいかを見積もるのは一般の方でも難しいことではありませんが、土地や建物またはそれ以外の財産についても一般の方がその価値を見積もるのは容易ではありません。 また、その見積額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えることになった場合にどのくらいの相続税が課税されるかというのは専門家でなければ計算することはできないでしょう。
人生も80歳近くになりますと、いつ自分や配偶者に万が一のことが起きるかもしれません。 そのときに残された相続人に迷惑をかけないよう、事前に予想される相続税額を計算し、把握しておくことが大切です。 また、相続税の納付に当たって現金預金が用意できるのか、また生命保険金などを充てるのかなど事前に考えておきたいことはたくさんあります。 そこで当事務所では、このような計算についていつでも対応できるよう考えています。
必要な書類、証明書、また、およその財産の明細などをご用意いただければ計算することができますので、まずはお電話でご一報いただければと思います。
料金につきましてもお電話にてお話しさせていただきます。
今後、ご希望のお客様が多数いらっしゃる場合には相続税に関するセミナーの開催も考えております。 ぜひこの機会にご連絡いただき相続税について考えてみてはいかがでしょうか。
相続財産及び相続税額の試算受付…小林公認会計士事務所 ☎ 03−3814−3800
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Q7 住宅取得等資金の相続時精算課税の特例 |
2014/11/21(Fri) |
Q1 私は59歳なのですが、このたび息子が家を新築することになり、その頭金を贈与してあげようと考えています。非課税の適用を受けられる金額以上の贈与を行う予定なのですが、非課税金額を超える部分には多額の贈与税がかかってしまいますか?
A1 住宅購入のための金銭の贈与については相続時精算課税の適用に特例が設けられています。相続時精算課税については、原則として贈与者の年齢は65歳以上でなければいけませんが、住宅購入のための金銭の贈与については、贈与者の年齢が65歳未満であっても相続時精算課税を選択できることとなっています。
Q2 相続時精算課税の特例は適用を受けると有利となりますか?
A2 相続時精算課税の特例については、贈与者の年齢要件がなくなり相続時精算課税を選択しやすくするための規定となるため、特例の適用を受けるとその年以後の贈与は前回までに紹介した相続時精算課税と同様の取扱いを受けることとなります。したがって、その贈与者からの贈与は住宅取得等資金以外の財産についても相続時精算課税が適用されることとなり、メリットとデメリットの両方が考えられます。ただ、住宅取得等資金についてのみ考えると、その贈与がなければその部分が住宅ローンなどに回ることも考えられますので、そのような場合には将来の利息分について負担が軽減され有利となります。
Q3 住宅取得等資金の非課税の規定との関係はどうなっていますか?
A3 住宅用家屋の新築等や家屋の床面積の要件、また、贈与の日の翌年3月15日までにその家屋に住んでいなければならないという要件も共通のものとなっているため、相続時精算課税の特例と非課税の規定は併用することが可能です。この場合に非課税の適用を受けた部分は将来の相続税もかかりませんが、相続時精算課税の適用を受けた部分は通常の相続時精算課税の適用を受けた部分と同様に将来贈与者が亡くなった時に相続税が課税されることになります。したがって、一般的には住宅取得等資金の非課税を優先して適用を受け、非課税金額を超える部分について相続時精算課税の特例の適用により相続時精算課税を選択することになります。ただし、相続時精算課税については前回までに紹介したとおり、選択するか否かは非常に難しい判断となりますので、贈与する金額が非課税金額を大幅に上回る場合は別として、そうでない場合にはあえてこの特例の適用を受けずに相続時精算課税とはしないことも考えてみるといいかもしれません。
Q4 平成27年1月1日より相続時精算課税は60歳以上の贈与者からの贈与により適用が受けられるとのことでしたがこの規定にも関係がありますか?
A4 現在の法令では相続時精算課税の特例は平成26年12月31日までの規定となっています。ただし、住宅取得等資金の非課税の規定と同様、平成27年度税制改正における要望事項の中にその期限を延長するような内容が盛り込まれていますので、期限が延長される可能性は十分に考えられます。その場合には、相続時精算課税の改正に合わせて贈与者の年齢が60歳未満とされる可能性が高いと思われますので、今後の税制改正の動向が注目されます。
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