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Q12 自社株の生前の贈与でお悩みの中小企業の経営者の方へ 2015/3/20(Fri)
Q1 前回の非上場株式等についての相続税の納税猶予についての内容は読んだのですが、代表者である私が亡くなるまで事業を承継することができないのは不安なので、私が生きている間に事業を承継することができるような制度はないでしょうか?

A1 生前の事業承継のための株式の移転については「非上場株式等についての贈与税の納税猶予」の規定があります。この規定は、前回お話しした「非上場株式等についての相続税の納税猶予」の贈与税版で、生前の事業承継に当たっての株式の贈与について納税を猶予してもらえる制度となります。

Q2 非上場株式等の贈与税の納税猶予というのはどういう制度ですか?

A2 納税猶予に関する考え方は相続税の納税猶予と同様で、贈与によってもらった株式についての贈与税の納付を待ってもらえる制度となります。納付を待ってもらった税額については事業承継をしっかり行って株式を所有し続ければ税金を納めなくてよく、事業承継が行われなかったり、株式を手放してしまったりすると税金を納めなくていけないことになるのも相続税のときと同様となります。

Q3 納税を猶予してもらえる税額はどのくらいですか?

A3 適用を受けることができる株式数は、相続税と同様、原則としてその会社の発行済株式数の3分の2が上限となります。後継者の方が贈与前から所有している株式がある場合にはその株式数をマイナスしなければならないことも相続税と同様です。
   ただし、贈与税の納税猶予には、最低限これだけは贈与しなければならないという、贈与する株数の下限が設けられています。その下限の株数は先ほど説明した上限と同じ株数となっていて、基本的には適用を受けられる株数以上の株数を贈与しなければならないこととなっています。
   納税を猶予してもらえる税額は、相続税とは異なり、原則として適用を受けることができる株数の時価に対応する部分の税額の全額となります。したがって、この規定の適用を受ける株式に対応する税額については申告期限内に納付する必要はありません。

Q4 非上場株式等についての贈与税の納税猶予の適用を受けるための要件はどのようなものがありますか?

A4 基本的に相続税の納税猶予と同じような要件が設けられていますが、違う点は次のとおりです。
   先代経営者(贈与者)の要件…過去に会社の代表権を有していたが、贈与時においては会社の代表権を有していないこと
   後継者の要件…贈与時に会社の代表権を有していること、20歳以上であること、役員等に就任してから3年以上経過していること

Q5 納税を猶予されている間に気を付けなければならないことはありますか?

A5 相続税のときと同様に、贈与税の申告期限から5年間は経営贈与承継期間と呼ばれ、その間はA4に挙げた要件などは満たし続ける必要があります。また、その期間内においては、雇用人数の平均は贈与時の8割を下回ってはいけないことに加え、贈与税の場合には、先代経営者が代表権を有することとなってはいけないという要件があります。経営贈与承継期間が過ぎた後は、基本的に株式を所有し続ければ猶予が続きます。
   さらに、猶予されている間にはこの規定の適用を受ける旨や会社の経営に関する事項などを記載した届出書を定期的に提出する必要があるのは相続税と同様です。

Q6 猶予されていた税額は最終的にどうなるのですか?

A6 納税猶予されていた税額は、A5に挙げた要件を満たした上で原則として先代経営者が亡くなるまで株式を所有し続ければ免除されることとなり、納付する必要はなくなります。また、贈与税の場合には、先代経営者より前に後継者が亡くなってしまった場合にも猶予されていた税額を納付する必要はなくなります。しかし、それまでの間にA5に挙げた要件を満たさなくなったり、株式を手放してしまったりした場合には猶予されていた税額は納付しなければならなくなり、利子税も納めなくてはいけなくなりますので注意が必要です。
   また、先代経営者が亡くなったことにより贈与税が免除された場合には、その株式について相続税の取扱いが特殊になりますので、次回ご紹介する内容もあわせてお読みください。

相続税について、ご不安、ご心配な点がございましたらお気軽にお電話ください。…小林公認会計士事務所
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